第3章 合否通知
急いで準備するわ!と部屋の扉を閉じてしまった冬美さんに向かって私も行くと伝えたけれど、今日の主役は家でゆっくりしてて!と言われてしまった。手持ち無沙汰になってしまったし、今日の夕飯のことを伝えようかと部屋に戻る。炬燵には変わらず焦凍がぬくぬくと机に突っ伏してみかんを食べていた。とりあえず焦凍にお夕飯におそばあるよと伝えて、2人でぬくぬくとした時間をゆっくり過ごした。
はりきった冬美さんは、正直言ってすごかった。用意された夕飯がぴかぴかと輝いて見えた。めちゃくちゃ完成度の高い夕飯にエンデヴァーさんも目をぱちぱちさせていたのが面白かったけど、それも一瞬。夕飯をつつく頃には焦凍とエンデヴァーさんの間にはブリザードが展開されていた。(いや、焦凍が一方的にブリザード吹かせてただけだったけど。)
私が雄英の一般入試に首席合格したのはエンデヴァーさんのお気に召したらしく、珍しくよくやったと言われ、頭を撫でてもらったりもした。入学までの三週間、多分エンデヴァーさんからみっちりとトレーニングの指導が入ってくる。首席合格に甘えず、焦凍の隣をキープしなくちゃ。期待と不安の入り混じった感情を雄英での高校生活に向けながら私は目を閉じた。