第1章 隠した嫉妬▽朽木 白哉
「千穂」
「こんのーっ」
「千穂っ…うひろ、うひろ…っ」
両頬をぐいぐい引っ張っていると、伸びた顔の恋次が私の後ろを指さしていたため振り向くと…
「白哉さんっ!?」
「………」
眉間に皺を刻んだ白哉さんが立っていた。
私は恋次の頬から手を離して、さっき怒っていたのも忘れにこにこと彼を見上げていると不意に手を掴まれて今度、引き摺られるのは私だった
「え、ちょ…っ」
「………」
「白哉さん、お金…っ」
そう呟いて振り向くと机に肘をつきながら恋次がひらひらと手を振っていたため、後から返そうと思い手を振り返して前を向いた