第1章 隠した嫉妬▽朽木 白哉
「兄には関係のない事だ」
「ちょ…っ」
「……くだらん」
「…っ」
―――――
「ふんっ。どうせ私は緋真さんとは違いますよーだ、ふんふんっ」
「どわっ…と、ごめんなさい…っ」
甘味処へ向かう途中、文句を言いながら一人歩いていたら前を見るのをどうやら忘れていた様で、誰かの背中に思い切り顔面を強打してしまった
「ん?おう、千穂じゃねーか」
「あ。阿散井副隊長」
「うわ、やめろよ。阿散井副隊長なんて…気持ちわりぃ」
「副隊長は副隊長でしょ。…恋次」
「つか、お前どっか行くつもりだったのか?」
所謂、幼馴染みである恋次はそう言いながらひりひりする私の鼻筋を人差し指で、ちょんちょんとつついてくる
「ん?うん、甘味処に…って、そうだ!恋次今暇?暇だよね、うん、絶対そう!」
彼の言い分なんか聞かずに腕を、がしっと掴むと引き摺るように甘味処へ連行する
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「隊長と?」
「ん、そう。今日から始まる限定ですって言いに行ったら浮竹隊長と話してたから、何のお話ですか?って聞いたら関係ないって」
白玉を頬張りながらそう口にする
「ふーん」
「ふーんって、ふーんって何よ!」
「いや、何つーか…どうやってお前と朽木隊長が付き合う事になったのか、全く想像できなくてな」
隣に座る恋次は、全くを強調して言葉を投げてきた
「そりゃ、あんた…あれよ。いつの間にかこのか弱いおなごを守らなくては…そう思って、おや?もしや好きなのでは?って思った白哉さんに告白をされたのよ」
「零番隊隊長のどこがか弱いんだよ。日本語が可笑しいしよ」
「か弱い事にしとけ!」
「んぐっ」
残り一つだった白玉を恋次の口に思い切り突っ込んだ