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蟲姫

第2章 蟲睦村(むしむつむら)


夢を見た。
最近よく見るようになった夢。

光り輝く美しい河の対岸に一人の男性が座っている。
白髪で、片目が前髪で隠れていて、視認できる片目は翠色のようにも見えた。

(貴方は誰?)

声にならない問を投げかける。
声に出していないのだから帰ってくる声はない。何時もそうだった。――でも。
「俺は―――」

その先は聞けなかった。否、聞くことが叶わなかった。意識が浮上していく感覚に、私は初めて眉間に皺を寄せた。
(あの人の名前、聞きたかったな)
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