第1章 再会の意味
止めようとした兵たちは、言葉を失った。
政宗の目は据わりきっていた。
紫乃が生きていると己の目で確かめて救い出さなければ、自分を殺してしまいそうなほどに狂った瞳。
誰かが代わりに摺上原に戻ってもきっと納得などしない。
「筆頭っ・・・」
──すると外から、息をあげて走ってくる声が、ふと聞こえてきた。
それは襖に近づいて、そして次の瞬間にはその者によって襖が開けられたのだ。
「待たせたな! 政宗殿は無事か!?」
走り込んできた人物に、その場にいた皆が安堵より先に驚きを感じていた。
奇跡だとも感じた。
「紫乃!!」
「お前ぇ、無事だったのか!」
紫乃は殿に残った兵たちを連れて戻ってきた。
広間に集まっていた者たちは声をあげて迎え入れる。
紫乃は大きな傷を負ってはおらず、表情もいつもの調子ではっきりとしていた。
──その姿を、政宗は目を逸らさず見ているだけだった。
「筆頭!見て下さい! 紫乃が帰りました!」
「・・・」
呆気にとられるとはこういうことなのだろう。
政宗は表情を変えることもなく、側に寄る紫乃に視線を移すだけ。