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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味




「申し訳ございませぬ! 此度、政宗殿の前に倒れたこと、某の一生の不覚っ・・・! ここは大阪へ攻めのぼり、何とか挽回を望もうとっ・・・!」

「馬鹿モ───ン!!」


お館様の拳が、幸村様をはじき飛ばした。

私は佐助様とともに、隣で静かにその様子を見ている。

大阪へ攻めのぼる。

なぜ幸村様がそれに躍起になっておられるかというと。

川中島での戦いの際、大阪を拠点に日ノ本を攻めんとする勢力『豊臣軍』に包囲されたからである。

幸村様が政宗殿に倒されることを逃れたのもこのためだ。


豊臣は用意周到に、各国に伏兵を紛れ込ませていた。

此度、武田・伊達・上杉の3つの勢力の動向をつかみ、一気に勢力配下に置こうと企てていたのである。

包囲された我々は、退却し難を逃れた。

・・・伊達も無事であっただろうか。


「紫乃と佐助が各国を回り、豊臣のやり口を見てきおった。その潜伏侵略とやらの標的はこの甲斐とて免れん。・・・今甲斐を留守にすれば、豊臣の思うつぼじゃ。それをすぐに察せよ」

「お館様! しかしそれでは豊臣の侵略を黙って見ていることにっ・・・!」

「・・・幸村よ。敵に囲まれれば、その囲いの外へ出るのが定石。ならば今の状況ではどうすべきか分かるであろう」

「・・・囲いの外・・・まさか、九州へ・・・?」

「そうじゃ。未だ豊臣の手に落ちぬ九州へと向かい、薩摩の勢力と西から豊臣を攻めよ」

「お館様っ! そのお役目、この幸村、なんとしてもやり遂げてみせましょうぞぉ! こうしてはおれませぬ! 今すぐ出立の準備を!!」


幸村様はそう言って、城へと駆け戻っていかれた。


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