第1章 再会の意味
時は再び天下を取り合う戦乱の世。
織田を討ち果たしたものの、すぐにこの日ノ本には次の支配者が現れんとしていた。
「幸村よ! 川中島での独眼竜との戦いに悔しさを感じておるならば、それを抑え、しかと今の状況を見定めよ!」
「お館様っ!」
お館様と幸村様は、川中島での戦いからずっとこの調子である。
・・・川中島で、何があったかというと。
お館様は謙信殿との決着をつけるため、かねてより川中島にて戦をするおつもりであった。
それは謙信殿も同じで、先日、我々武田と上杉軍は川中島でぶつかったのだ。
・・・しかしそこへ伊達が乱入し、あの政宗殿が幸村様と決戦をつけようと横やりを入れてきたのだという。
私は上杉軍との戦いに専念していたので、幸村様に加勢することはかなわなかったのだが。
・・・幸村様はそのとき、奴に敗北の一歩手前まで追い詰められたのだという。