第1章 再会の意味
「政宗殿・・・」
ペタリと、思わず襖を挟んだその場に座り込んでいた。
見つめられただけで、こんなに・・・
「・・・テメェ、この俺を待たせ過ぎだぜ。やっと会いにきやがったか」
「・・・あ、会いに来たわけではないっ・・・」
会いにきたわけではない。
会いにきたわけではないけど・・・
でも・・・
会いたかったっ・・・
政宗殿は座り込んだ私と同じ高さに腰を下ろした。
「・・・紫乃」
「・・・わ、私はお館様の命により奥州へ来たのだ。またしばらく伊達の軍に同行する。別にお前に会いにきたわけではないのだぞ! だから変な気を起こされてはっ・・・」
恥ずかしくて立て続けに喋ってると、ふいに、後頭部に政宗殿の手が添えられる。
「・・・な、なんだ・・・? 何をっ・・・」
────すると奴は何も言わずに、そのまま自分の唇へと引き寄せた。
「んっ!? ・・・・んっ・・・」
──なぜまたこうも無理矢理、口づけをするのだ。
あのときと同じ。
私の同意など得ずに、勝手に頭を掴んで引き寄せる。
強引で、乱暴で・・・
「・・・ん・・・はぁ・・・」
・・・違う・・・
なんだこれ、前とは違う。