第5章 ボクはキミを
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「NEXT Re:vale面白いなー!またRe:valeと零ちゃんと共演できたらいいなー」
録画していた番組を見終えた三月が、リビングに来てみれば。
鍋にたっぷり入っていたシチューが、蛻の空になっていた。
「あっ!鍋が空っぽになってる!環の奴、残しとけって言ったのに!腹減ったなぁ……何食おう」
すると、ピンポーンとチャイムが響く。
「お!零ちゃんかな!?はいはーい!今開けます!」
三月がガチャ、と扉を開ければ、酒の匂いが鼻に広がった。
顔をあげてみればそこには、酒臭い大和が立っている。
「うわっ、大和さん!酒臭ぇな!」
「……っちょっと、これ!この人持って!」
「は!?」
大和が肩を貸していたらしい男の影がゆらりと見える。
「誰だよこの兄ちゃん!?零ちゃんも住んでんだからさ、変な奴連れて帰ってきたらまずいだろ――」
「あははは!はいさい!」
肩を貸していたのは――TRIGGERの十龍之介だった。
「!?!?十龍之介じゃねえか……!!なんてもん拾ってくるんだ…!!」
「違うって!聞いてくれよ、もう!この前飲む約束してたから、リクのために偵察がてら行ったんだよ!そしたらこのお兄さん、がっぱがぱグラス空けるわ、何言ってるかわかんねーわ……」