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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第5章 ボクはキミを



「OH…とても有意義な時間でした」

「あのアニメ、前に何回も見たんだけど…あれ?リビング、誰もいないね」


まじこなのDVDを見ていたナギと壮五がリビングに来てみれば、誰もいないようだ。


「今日は零さんが帰ってくるって言ってたから、みんな揃ってるはずなんだけど…どこ行ったんだろう」

「シチューと王様プリンあります。タマキのでしょうか?」


そんな会話をしていれば、ガチャガチャと鍵の開く音がした。


「零さんかな?」


ナギと壮五が慌てて玄関まで駆けていく。開いたドアの先にいたのは――。


「こんばんはー!Re:valeでーす!」


急に現れた百と千に、壮五は驚き声をあげる。百の後ろから、零がひょこっと顔を出した。


『壮ちゃん、ただいま』

「零さんっ!おかえりなさい…!Re:valeさんと一緒に帰ってきたんですか!?! 」

『ごめん…急に決まっちゃって…』


申し訳なさそうに謝る零の横で、千と百が口を開く。


「君んとこのリーダーに着拒されて、憤慨の意を伝えに来たんだ。彼はいる?」

「オレは特殊任務のため、ナギを探しに!……ああ、いた!良かった!これで地球の平和が守れる!」

「OH!スペシャル・ミッション!エキサイティングでーす!」

『あはは……』


事情を知っている零が苦笑していれば、壮五が口を開く。


「ナギくん、納得するの早いよ!あの…大和さんは出掛けてて…」

「じゃあ、君の部屋で待つか」

「えっ…!?」

「あー!王様プリンだ!オレ好きなんだ!食べていい?」

『あれ、王様プリンがこんなに……(天に頼んじゃった……そんなにあったら一織くんに怒られそうだな……天もたくさん買ってくるだろうし、止めなくていっか!)』

「いい匂い。シチューじゃないか。夕食まだだったんだ」


プリンにはしゃぎ出す百。
夕食を頂く気満々の千。


「いや、あの……」

「「Re:valeは先輩だよね?」」


百と千の声が重なる。
壮五が零に視線をやれば、彼女は顔の前で申し訳なさそうに手を合わせていた。


「……ど……どうぞ部屋でごゆっくり、お召し上がりください……」


壮五の消え入りそうな声が、玄関に虚しく響いたのであった。


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