第4章 新世界への前奏曲
「それでは本番いきますー!」
「OK!陸、大丈夫?」
『落ち着いた?』
「はい!大丈夫です!」
「よし!じゃあ、今夜もRe:valeと零と一緒に楽しんでいこう!」
「朝まで付き合せたらごめんね」
あはは、とスタッフの笑い声があちこちから上がる。
「よっしゃ!頑張ってお仕事して、みんなでハッピーになろ!よろしくお願いしまーす!」
百の一言で、収録が始まった。
「それでは、本日のゲスト!IDORiSH7のみなさんでーす!」
宜しくお願いします!とメンバーが口々に言うが、どこかまだ緊張していてぎこちない。
「JIMAの新人賞を獲得し、さらにブラック・オア・ホワイトの男性アイドル部門の勝者!しかも、零と同じ事務所の後輩っていう…!すごい新人がやってきたね、ユキ!」
「出る杭は早く打たないとね」
『ちょっと。二人とも、私の可愛い後輩をいびるのやめてよ』
あはは、と笑い声で賑わう収録現場。
笑い声の絶えないスタジオでRe:valeと零、そしてIDORiSH7が小気味いい軽快なトークを飛ばしていく。
テレビ慣れしたRe:valeと零の三人に引っ張られながら積極的に立ち回るIDORiSH7は―――まぎれもないTVスターだった。