第3章 交錯する想い
「……で!二人はどういう関係なのかな!?」
百の質問に、ももりんを飲んでいた天はゴホッゲホッとむせ始めた。
『どういう関係っていうか……天、言ってもいい?』
「ゴホッ……別に」
『あのね』
「ちょっと待って!……心の準備させて!」
零の言葉を遮り、百が深呼吸を始める。
そして、零の顔を見つめて、言った。
「……うん、いいよ、オッケー……。」
『うん、あのね』
「………、」
『天とは、』
「………、ウン」
『―――幼馴染なの』
零の口から出てきた言葉に、百はきょとん、としている。
しばらくの間を置いてから、百はいつもより更に大きな声を出した。
「うっそお!?!?幼馴染!?!?今まで全っ然仲良くなさそうだったじゃん!?」
『ちょっと、昔喧嘩しちゃって。それから口聞いてなかったの』
「あらら……そういうこと……。なんだよ、言ってくれればよかったのに!」
はあ、とため息を漏らしてから百はももりんをぐいっと飲み干した。
「よし、ユキに連絡しなくちゃ。天もちゃんと楽と龍に連絡するんだよ。詳しいことは言わなくてもいいけど、絶対心配してるだろうから。零も、社長とマネージャーには報告すること。いいね?」
「『はい……』」
「それと、二人はこれで仲直り。何が原因で喧嘩したかはわかんないけど、これからはモモちゃんに免じて仲良くすること!いいね?」
百の言葉に、零と天は驚いたように顔を見合わせた。
「ほら、息ぴったり!さすが幼馴染属性」
百の言葉に、驚いたように顔を見合わせていた二人は、ぷっと笑った。
――久しぶりに見る、優しい笑顔。
――久しぶりに見る、大好きな笑顔。
「返事は?」
「『……はい』」
天と零の返事に、百は満足そうに微笑んだ。