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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い



『そんなわけないでしょ!千ちゃんと一緒によく遊びにくるから、大抵の場所がわかるだけ』


零の答えに、どこかほっとしている自分に苛立った。嫉妬心丸出しの自分に、天がはあ、と小さくため息をつけば。

百の大きな声が、二人の耳に響いた。


「そーれーで!!説明してもらおうか!!ちゃ・ん・と!!」


顔をあげれば、そこには髪を濡らしたまま肩からタオルをかけ、ハーフパンツを履いた上半身裸の百が仁王立ちしていた。


「…百さん、服着てください」

「え?なんで?」

「なんでって……零もいるんですよ」

『大丈夫だよ、百の上半身なんて見慣れてるから』

「……は?」


天がこれでもか、というくらいに目を見開いて聞き返す。が、すぐに百に遮られた。


「説明して!!わかんないことだらけで頭がぐちゃぐちゃだってば!」


百の真剣な訴えに、天は一息ついてから、山南梢との出来事を一から話した。


「……なるほど……」

『そうだったんだ……私、すっかり騙されてた……』

「謝らなきゃいけないのは、ボクの方。ボクのせいで、二人に迷惑かけた。本当にごめんなさい」

「なんで天が謝るんだよっ!?天も零も悪くないでしょーが!」

『危機感なかった私の責任だよ……二人とも本当にごめんなさい』

「「それは確かにちょっと悪い」」


百と天の声が重なる。
零が露骨にしゅん、と俯けば、百が零の頭をわしゃわしゃと撫でた。


「ともかく、無事でよかったよ。もうこれからは、迂闊に人を信用しないこと。わかった?」

『はい……』

「よし!じゃ、これでもうおしまい!無事に帰ってきたお祝いってことで、ももりんで乾杯しよう!」


そういって、百は嬉しそうにももりんの注がれたコップを掲げる。天は眉を顰めながらも、渋々コップを合わせた。


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