第3章 交錯する想い
三人はこそこそとクラブを脱出し、周りに人がいないことを確認してから急いで百の車に乗り込んだ。
天が車の扉を閉めた瞬間。
百が、すぅと息うを吸ってから、叫んだ。
「零のバカ!!!!」
「『!!』」
あまりの大きな声に、天と零は咄嗟に自分の耳を押さえた。
「どれだけ心配したと思ってんの!?天から連絡がなかったら、どうなってたか……!もう、これからは誰かと遊びに行くの禁止!!」
『ご、ごめんなさい……』
「そうだよバカ!!あれだけ口うるさく言ったでしょう?どうしてキミはすぐそうやって人を信用するの!?」
『……天まで……ごめんなさい……』
零はしゅん、と落ち込んで俯いてから、はっと気付いたように顔をあげる。
『ていうか百!怪我はないの?血、すごいついてるし……』
「ん?ああ、平気平気!いやー、個室でよかったよ……誰かに見られたら大変なことになってた……!頭に血がのぼって考えるより先につい手が出ちゃった。バレたらおかりんに怒られる……!怖い怖い!」
「…ボクからしてみれば百さんの方が怖いんですけど。…百さんって一体何者なんですか?」
「いや~、それほどでも!って、とりあえず、いろいろ話も聞きたいので……。オレの家帰ろっか!」
そうして三人は百の家へと向かったのだった。