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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い







――ゆらゆらと、空間が歪んで、揺れている。


いや、空間が揺れているんじゃない。

自分の体が揺れているのだ。


――あれ、おかしいな。頭が、うまく回らない。








「おいおい、マジで折原 零じゃん!すげー、本物!」

「マジ感激!梢やるじゃん!なあ、マジでやっちゃっていいの!?」

「見直した?当たり前でしょ。顔がカメラに映るようにうまくやってよ!週刊誌に売ったら超高くつくから!」




――誰かの、声が聞こえる。


朦朧とした意識の中で、言葉を理解するのは難しかった。
なんで、こんな事になっているんだっけ。

確か、梢ちゃんと飲みに来て。VIPルームに連れていかれて、お酒を飲まされて。頭がくらくらして・・・。




「でも、ばれたらヤバくね?」

「大丈夫だって。酔いつぶれて乱交しちゃいましたー、なんて、よくある話じゃん?私は先に帰るねって言ったけど、零ちゃんはまだ残るって言ってたからーとか言い訳なんていくらでもできるし。睡眠薬盛った酒飲ませたから、寝たらしばらく起きないしろくに覚えてないでしょ」

「女って怖ぇー!」


梢がゆっくりと零に近づき、顔を近づける。



「――恨むなら、九条天を恨みなよ。私じゃなくて、あんたばっか見てる九条天が悪いんだから」


そう耳元で囁いて、梢はにっと愉しげに笑った。


『……て、ん……?』


朦朧とする意識の中で、その名前だけは聞こえた気がした。


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