第3章 交錯する想い
≪はーい!モモちゃんです!≫
『もしもし。今平気?』
≪うん。なになに!もしかして零ってば、オレのことが待ちきれなくて電話しちゃったかんじ?≫
『いや、全然違うんだけどさ』
≪ひど!!あ、もう収録終わったの?ごめん、オレまだもう少し掛かりそうだから、そっちのスタジオで待ってて!終わったらすぐ迎えに行くから!≫
『そのことなんだけどさ……ごめん!今日のご飯、パスで!!』
≪ええ!?なんで!?せっかく零の好きな焼肉屋さん予約したのに!≫
『ごめん……最近仲良くしてくれてるアイドルの子に、どーしても話聞いてほしいって頼まれちゃって……本当にごめん!この借りは必ず返すから!』
≪最近仲良くしてるアイドル?もしかしてこの前共演した子?なんだっけ。えっと≫
『山南梢ちゃんね!ゲストに来てくれた子くらい覚えといて!千ちゃん化してるよ!』
≪うわ、まずいまずい。うん、もう覚えた!山南梢ちゃんね!まあ、そういうことなら仕方ない!女の子の友達、できてよかったじゃんか!仲良くなれるといいね。でも、モモちゃんとの焼肉デートを断った罪は重いよ?体で払ってもらいまーす!≫
『本当ごめんね…。百好みのボインじゃないけど大丈夫?』
≪あーっ……そーだった……≫
『あはは、むかつく!ごめんね、次焼肉奢るから!』
≪いーよいーよ。また一緒に行ってくれればそれで!何時まで会うの?帰り、危ないから迎えに行くよ!≫
『大丈夫だって。西麻布って言ってたし近いから!タクシーで帰る!』
≪だーめ!ストーカー被害に遭ったばっかの人が何を言いますか!迎えに行くから連絡して。待ってるから≫
『もー、百はほんと過保護なんだから。じゃあ、遅くなりそうだったら連絡します』
≪遅くならなくても連絡しなさい!それじゃあ、楽しんでおいで!≫
『うん、ありがとうね、百』