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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第20章 掻き混ぜ零れゆく







「お邪魔するよ。わあ!相変わらず散らかっているね!お片付けしてくれる大好きな零とはお別れしたみたいだから、仕方ないか!もしかして、まだ未練たらたらのまま、零が片付けに来てくれるのを待ってたりするのかい?」



百の部屋に入るなり、了が愉しげに言った。
そんな了にほくそ笑んでから、百は空笑いをしてみせる。


「…あはは、そんなわけないでしょー。いま自分で片付けるから、外で待っててくんない?」

「あはは。お構いなく。ちょうど、僕の友達も下についたみたいだ」

「了さん、先に言っておくけどさ、これでも芸能人だから、マンションは監視カメラ付きなんだよ。お行儀の悪い友達が、警察のお世話になったりしないように、注意してあげた方がいいかもね?」

「あはは、モモ。これでも芸能事務所の社長だからさ。このマンションの持ち主とは懇意なんだよ。芸能人が住む都内のマンションなんて、限られてるからね!ツクモのタレントも、違う物件に何人もお世話になってる。何度も何度も何度も。不都合なことをなかったことにしてもらったりとかね」

「……ははあ。ああ、そう」



瞬間、ガチャ、と音を立てて玄関の扉が開いた。



「ああ、友達がついたみたいだ!どうぞ、入って!」



了の言葉と共に入ってきたのは、数人の随分とガラの悪い図体の大きな男達だった。



「わあ……。いかつい友達がたくさん」

「さっそく、僕の友達にモモのボディチェックさせてもらってもいいかな?モモは油断ならないからね!」

「挨拶前にボディチェックしてくるお客さんって、モモちゃん初めて……。……っ、おい、返せ!」


いくら百と言えど、こんな大男たち数人に押さえつけられては、抵抗なんてできるわけもない。


「見-つけた!新しい手料理を披露してあげるよ。このスマホ、二台ともレンジでチンするね」

「チンする前に、ダーリンに帰ったよコールさせてくんない?うちのダーリン心配性でさ。オレと連絡が取れなくなったら、警察に通報しちゃうかも」

「あはは、モモ。警察が来たらモモが困るパターンにも出来るよ。そっちにしようか?」

「…あはは……参ったな…。了さん、今回マジだね」


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