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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第20章 掻き混ぜ零れゆく





「あはは。あんたのアイドルは根性がないなあ。軽くゆすっただけで喋ってくれたよ」



必死に反論しようとするトウマの言葉を瞬時に遮り庇ったのは、百だった。
意地悪く口の端をあげてみせる百に、了が目を見開いた。


「モモがトウマをゆすったのか?」

「そうだよ。悪巧みがあんただけの特権だと思った?こいつの青褪めた顔は気分が良かったな。トウマ、もう帰っていいよ」

「……そっ……!」

「用済みだっつってんの。早く帰れ」


百が視線で訴えるように、トウマに言った。
それに続いて、了も口の端をあげる。


「そうだね、モモ。この先は僕らで楽しもう。そうだ!たまにはモモの部屋に行こうかな。僕の友達も呼んでいいよね。お行儀はあんまり良くないけど」

「………」

「…り、…了さん、待っ……」

「トウマ。今日のことは誰にも話すなよ。これ以上、口が軽くなるようだったら……おまえの家族や、おまえの前のメンバーに、突然、不幸が襲うかもしれないからね」

「……っ……!」



了は吐き捨てるようにそう言って、黙り込むトウマを背に、百と共にそのバーを出て行った。




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