第19章 夜明けの譚詩曲
『最後まで一緒に頑張りましょう!まだまだこれからですよ!』
「…っはい…!よろしくお願いします」
零と千の言葉にスタッフはなんとか笑顔を作って見せたものの、やはりどこか浮かない様子だ。そんな背中を見つめながら、百が眉を下げながら言った。
「肩を落として可哀想に…。オレは仲間にあんな働き方はさせたくないよ。……とは言え」
「最高の流れ」
『チャンス到来、だね』
千に、零が続く。
三人顔を見合わせてから、百が口を開いた。
「これでチャリティの正当性を問う事件と、TRIGGERの問題がひとつになった。」
「フレンズデイを成功させるためには、みんなが目を背けてたこの問題に向き合わなきゃ行けない。どうする?制作局長さん。」
「ふふ…全国のTRIGGERのファン全員にキスして回りたいね。1位だって!すごくない!?ねぇ、零!」
『うんっ…!やっぱり、TRIGGERはすごいよ。コネでもなんでもなく、それだけ大勢の人たちの心を動かしたんだもん。TRIGGERは、今もみんなに愛されてる。』
「でも、なんでsecret nightなんだろう?」
千が投げかけた疑問に、零が瞳を煌めかせながら続けた。
『ファンからのメッセージだよ、きっと!"醒めない夢を一緒に。会いたい日々が切ない―――"……私にも投票権があったなら、きっとこの曲に入れてた。……さぁ、ファンの間から、革命が始まっていく。』
強くそう言い切った零に、百と千は顔を見合わせてから、嬉しそうに笑ったのだった。