第19章 夜明けの譚詩曲
オープニングセレモニーでは、沢山の歓声と拍手の中。
Re:vale、零、IDOLiSH7の皆で、この日のために作った曲、Happy days creation!を披露。
出だしは好調だった。小さなトラブルが起きたりもしたけれど、順調にコーナーが進んでいく。
けれど。
フレンズデイの目玉企画であるメモリアルソングのランキング集計―――中間発表では1位に反映されていたはずのTRIGGERのSecret nightが、突如、TRIGGERはイメージが悪いという理由で集計スタッフに寄って外されたのだ。
「メモリアルソングのコーナーで、なんかトラブルあった?」
眉を顰めた百が、集計スタッフに尋ねた。スタッフはどこか気まずそうに、遠慮がちに口を開く。
「…集計ミスで、TRIGGERの歌が1位って表示されちゃったんですよ」
「へえ、集計ミス…。それじゃあ、今は何位?」
「いや、あの…。TRIGGERの曲はランキングされてないです…」
「ランキングされないことにしたんだ?」
百に続いてそう問う千に、スタッフはたじたじしながら続けた。
「いや。あはは……せっかくRe:valeさんがメインなんだから、Re:valeさんの曲が一位の方がいいでしょ…?」
「ありがとう。僕たちに気を使ってくれんだね。だけど、僕らは名誉の本当の意味を知ってるんだよ」
「………」
黙り込んでしまったスタッフに、千が続ける。
「ごめんね。君に言っても仕方ないよね。」
「…すみません。」
「いいよ。教えてくれてありがとう。」
肩を落とすスタッフに千が優しくそういえば、隣にいた零がスタッフの肩をぽんぽんと叩いてみせた。