第19章 夜明けの譚詩曲
―――その頃。
「あはは…。覗き見されてるとも知らないで、準備万端だなあ、モモ」
「…ラビチャのログか?」
スマホを見ながら妖しげに微笑む了に、トウマが尋ねた。了はにやり、と口角をあげながら、心底愉快そうに応えた。
「そうだよ。フレンズデイフィナーレ間際、Re:valeと零はメイン会場を離れて、Aスタジオでフィナーレの準備をする。視聴率がもっとも高くなる直前、メイン会場の進行は、IDOLiSH7に託される。僕はここで仕掛けてくるだろうってさ。さすが僕の友達のモモだね!ご明察の通り、僕の息がかかったスタッフを、その時間、メイン会場に配置してるよ。」
「百はどうするつもりなんだ?」
虎於の問いに、了は余裕な笑みを浮かべたまま続ける。
「当日の夜、僕の仲間に気付かれないように、ステージを変更してくださいって、局の偉い人におねだりしたみたいだね。Re:valeと零はメイン会場、IDOLiSH7の繋ぎはスタジオでって。」