第19章 夜明けの譚詩曲
「ありがとう。……みんな、ごめんなあ。デビューしてまだ一年なのに、ディープな案件に巻き込んじゃってさ。だけど、この仕事嫌いになったり、苦手に思ったりしないで欲しいんだよね。この世界はさ、本当にこの仕事が好きな人たちも、たくさんいるんだよ。みんな、いいものを作りたくて、いいものが作れたらハッピーなんだ。お金や地位なんかじゃ動かない。一人一人の力は弱い。でも、少しずつ、力を集めていけば、TRIGGERの名前も言えない世界を覆せる。TRIGGERの味方をしない人たちを見ても、臆病者だとは思わないで。家族や、チームや、仲間を守るために、じっと我慢してるヒーローなんだ。無責任に暴れるより、勇敢な覚悟を持ってる。そんな人たちに頼りにされてる、IDORiSH7ってグループを誇らしく思って、ずっと、この仕事、好きでいて欲しいな」
「嫌いになったりしません。オレ、ここでずっと歌っていきたいです。メンバーも、仕事仲間も、ライバルも、ファンのこたちもみんな、楽しい時間を過ごせるように頑張ります!」
陸の答えに、百は嬉しそうに微笑んだ。
「よかった…。それを聞いて安心した!」
「どんな時でも、僕らのコンセプトは変わらない。フレンズデイ、楽しんでやろう」
『最後には笑顔で”Happy Days Creation!”が歌えるように、みんなで頑張ろうね!』