第19章 夜明けの譚詩曲
「了さんは"Friends day"に、絶対なんか仕掛けてくる。だけど、具体的な動きがまったく想像つかないんだよね。ユキと零と話し合ったんだけど…」
「僕ら、根が邪悪じゃないから、あんまり悪いことが思いつかないんだよ」
「俺らの根が邪悪みたいなこと言わないでくださいよ」
「そんなつもりはないけどさ!三人寄れば文殊の知恵って言うでしょ?なんか、対抗策思いつかない?」
百の提案に、次々と的確な意見を出し合っていくIDORiSH7。
そんななか、百が申し訳なさそうに口を開いた。
「オレが了さんに色々面倒見てもらったのは本当だし、そんな奴が手を噛んで来たら、了さんじゃなくてもむかつくと思うんだよ。フレンズデイ、たぶん、メインMCのオレたちと零とは別スタジオで収録するIDORiSH7に仕掛けてくると思う。その方がオレへの嫌がらせになるから。オレらに的を絞ってもらうために、この前のライブ中継で了さんを挑発したり、IDORiSH7の周りのスタッフに信用できる人を配置してもらうようにしたけど…。企画数も多いから、スタッフ全員、把握しきれなくってさ。…君らに迷惑かけちゃったら、ごめん…」
「…百さん…。何が迷惑ですか!いつも、お世話になってるんですから!フレンズデイ、成功させてやりましょうよ!」
「そうですよ。百さんがあいつの近くにいてくれたおかげで、千葉サロンの暴露だって防げたんです。俺にとっては恩人ですよ」
三月と、大和が続く。
温かい言葉の数々に、百は困ったように微笑んでから続けた。