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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い




零以外の女性に触られたという嫌悪感で、頭がいっぱいになる。天は思わず、抱き着いてきた梢を突き飛ばしてしまった。


「ッ痛」


しまった、と我に返ってから天が梢を見れば、こちらを思い切り睨みつけている。やっと本性を出してきたか、と天は心の中であざ笑ってから口を開いた。


「……すみません。好きでもない女性に触られたものですから、つい反射的に」

「……ムカつく。テレビでは天使だなんて言われてるくせに……随分な扱いしてくれるじゃない」

「アナタのような人にだけは言われたくないですけどね。では、失礼します」

「待ちなさいよ!!」

「これ以上アナタと話すことはありませんので」

「……っ!!」


天はくるり、と背を向け、すたすたと歩いていく。


「……覚えてろ……九条天。私にこんな仕打ちをしたこと、気が狂うほど後悔させてあげる」


捨て台詞を吐いた梢を、天は冷たい瞳で睨みつけてから、踵を返した。

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