第18章 奏でるモノクローム
「今週の”NEXT Re:vale”は生放送特別編!ゲストはZOOLのみなさんです!ようこそー!」
百のMCで、収録が始まる。
きゃあああ!と観客からの歓声が沸き上がるが、ZOOLの四人は誰ひとりとして口を開こうとしない。
そんな雰囲気にのまれないよう、百が元気よくMCを続けていく。
「格好いいよね、みんな!ZOOLは、この番組見たことある?」
「………」
ZOOLの四人は、変わらず不機嫌そうに口を噤んだままだ。
「あはは!見てなくても、遠慮しないで言っていいよー!」
百のフリにも、やっぱり答えは返ってこない。
観客が不安の声を漏らす。なんとかフォローしなくては、と零が笑いながら口を開いた。
『ZOOLさん、思ったより控えめな感じですね!曲の感じと違って、ギャップがすごい。こんなところもファンの皆さんを惹きつける魅力の一つなのかな?』
「あ、もしかして、巷で話題のギャップ萌えってやつ!?さすがですなー!」
零と百が明るく笑い合っても、ZOOLはむすっとしたまま何も喋らない。空気を変えようと、百が明るく続く。
「ちょっと緊張しちゃったかな?じゃあ、ZOOLさんがあったまるまで、ユキにインタビュー!」
「はい」
「ユキから見たZOOLさんの印象は?」
「本音?テレビ用?」
「えー!?怖いけどそんなん聞いちゃったら本音の方!」
百の答えに、千はこそこそと零に耳打ちしてみせた。
『……うわ、それ、超わかる』
「だろ?」
「えー!?なになに、気になるんですけど!?」
『ガチで怒ったときの百っぽい、だって』
零の言葉に、観客からはきゃああ!と歓声があがる。
「ちょっと!ZOOLさんに失礼でしょ!」
「だから、素顔はかわいいんだと思う」
千の答えに、再び観客からは大きな歓声があがった。
「ダーリン、超イケメン!!モモちゃんの素顔はキュートだもんね!」
「そうね」