第18章 奏でるモノクローム
「……僕が寝ている間に、二人で何してたの?」
「『は!?』」
「零、耳まで赤くしちゃって、トマトみたいで可愛いね。食べちゃいたいくらい。ね、モモ」
「な……っ!」
『や、やめてよ!!』
そんなとき、控室の扉が勢いよく開いた。
そこには体温計を片手に、はあはあと息をきらしている岡崎が立っていて。
「零ちゃん!体温計借りてきました!すぐにお熱を測ってください!それと、スタジオに常備されてるお薬も何種類か用意してきましたから、今の体調に合ったものを……」
『おかりん!ありがとう…!!』
ぶつぶつと薬の説明をしだす岡崎に、心底助かったと安堵してから、零はごまかすように百と千に背を向けて岡崎の元へと駆けて行ったのだった。