第18章 奏でるモノクローム
「……っキミは本当に……恥ずかしげもなくよくそういうことが言えるよね……」
『え?なにが?』
「……なんでもない」
「うわ、天が赤くなってる…!」
「龍は初めて見たのか?俺は結構何度も見てるぜ。零の前だと割と――」
「うるさい。キミたちは黙ってて」
ぶーぶー言い合いながらも仲の良い三人を見つめながら、零もつられて笑顔になる。
あんなことがあったあとで、落ち込んでいるんじゃないかな、なんて心配していたけれど。
彼らはあの”TRIGGER”だ。誰ひとりとして、後ろなんて振り返らない。もう、前に向かって進んでいるんだ。
高く、明るく、星をかき消して夜空を渡ってゆく満月のように。