第3章 交錯する想い
IDORiSH7のweb番組は、零の宣伝のおかげもあってweb番組としては異例の視聴率を叩き出すと言う好調ぶりを見せた。
その反響もあってか、大和の元にドラマ出演の依頼まで舞い込んで来た。MEZZO"の人気もうなぎのぼり。
時は満ち、社長から正式にIDORiSH7をデビューさせると告げられ、メンバーはデビューシングルのPV撮影をするため沖縄に向かうことが決まった。
『すごいじゃん!よかったね、陸!』
「うん!ありがとう零ねぇ!みんな、本当に零ねぇに感謝してるよ!」
陸の部屋で、お菓子を食べながら零は陸からの報告を聞いていた。
『私は何もしてないよ。あなたたちの実力でしょ!』
「番組で宣伝してくれたりさ!それに、零ねぇがあの時言ってくれた言葉、すごい響いたってみんな言ってた。零ねぇの後輩として恥ずかしくないように、かっこよくデビューするから見ててね!」
『あはは。うん、ちゃんと見てるよ、陸。頑張ってね』
「うん!!」
『あ、やばい。収録行かなきゃ。ごめんね、陸。またゆっくり話そ!』
「忙しいのにごめんね!頑張ってね零ねぇ!」
寂しそうな陸に泣く泣く別れを告げ、夢への一歩を踏み出した陸たちに元気をもらった零は、特番のラジオ番組の収録スタジオへと向かった。