第18章 奏でるモノクローム
零はごしごしと自分の目を両手で擦ってから、真っ赤になった瞳を細めて笑った。
『ごめんなさい、泣いたりなんかして!ちょっと感傷的になっちゃいました…あはは、らしくないですよね!でも、泣いたらすっきりしました。こんな時は寮に帰って、ナギとまじこな鑑賞会でもしてきます!』
「………」
『だから気にしないで万理さんは楽しんできてください!百も千ちゃんも、ずっと万理さんとゆっくり話したがってたから。それに、百とは普通に仲良しなんですよ!だって、ほら…友達に、戻っただけですからっ!』
そういって笑う彼女は、綺麗なのに繊細で、ずっと見ていたいのに、触れればはらはらと散ってしまいそうなくらい危うくて――線香花火のように、儚かった。