第17章 雨と月と輪舞曲を
「………もしもし、零?」
<もしもしっ…天?電話出るの早くない!?>
「……。……暇人って言いたいの?」
<ち、違うよ!!そんなこと一言も言ってないし!?>
慌てふためく姿が容易に想像できて、表情筋がだらしなく緩みっぱなし。ばれないようにと、平然を装うのに必死だ。
「…そう。で、どうしたの?」
<え……。いや、ちょっと……その、声が聞きたくなっただけ>
わかりやすい嘘なんてついて。本当は、独立してどうしているか心配だったくせに。わかっていたのに、つい意地悪を言ってしまう自分に呆れてしまう。
<天……あの、今度ね、IDORiSH7とRe:valeが、みんなで一緒に、ぱーっと遊ぼうって!>
「……うん」
<新生TRIGGERの出発を祝して!ぱーっと飲も!?>
「ボクはまだ未成年だけどね」
<あ、そうでした……>
「……ふふ。いいよ。リンゴジュースで、乾杯するよ。楽しみにしてる」
<……!うんっ!!>
「……ねえ、零」
<どうしたの?>
「……。……少しだけ…会える?」
<うん、勿論!!今から行くよ、どこがいい?>
「じゃあ……この前のバーで」