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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第17章 雨と月と輪舞曲を



「謝らないで。百くんも心配だったから、きつめに言ったつもりだったんだ」

「わかってます。すみません、本当に……」

「謝らなくていいって言ってるのに。今日は、Re:valeの番組?ゲスト出演?」

「ゲストの方です。り……、オレとユキさんの、その、5周年的な……」

『………』

「俺の前で、Re:valeを名乗ることをためらわなくていいんだよ。Re:valeは千と百くんなんだから。堂々と名乗っていいんだ」

「……でも…」

「そんな顔しないで。君たちのファンだって言ったじゃないか。千ばかりじゃなく俺とも仲良くして。俺もずっと、百くんと話したかったんだよ」

「お…オレもです!オレもずっと、バンさんと、いろんなこと、話したかったです……」

「じゃあ、話そうよ。いっぱい話して、友達になろう。零ちゃん、今度百くんと千といつも飲んでる場所に連れて行ってよ」

『はいっ!!もちろんです』

「…っ、はい……。ありがとうございます…!」

「あはは。じゃあ、さっそくだけど敬語はやめてよ。千には普通に話すだろ?」

「ええ!?無理ですよ!?」

「無理じゃないって。ほら。零ちゃんからも言ってあげて」

『…頑張れ、百』

「そんな……。……じゃ、じゃあ……。ば……万理……」

「呼び捨てにしろとは言ってない」

「ひゃあああ…!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!なんで勘違いしたんだろ、オレ!?」

「あはは、冗談冗談。好きに呼んで」

『………(万理さんの冗談、わかりにくくてたまに怖いよ……)』


百と万理の会話を聞きながら、零がそんなことを思っていれば。

後ろから、声が掛かる。



「――やあ、モモ!零!久しぶりだね!」


そこにいたのは、月雲了だった。

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