第17章 雨と月と輪舞曲を
『なっ……何言ってるんですか…!頼れるof頼れるですよ!!それにあの日は万理さん、溜まってた仕事があったんだから仕方ないじゃないですかっ!!』
「零ちゃん以上に、俺に優先させるべきものなんてないよ。改めて気付かされた。…たくさん怒ってしまったけど、あの日ついていかなかった俺も悪いんだ。ごめんね」
『…万理さんは何も悪くないです……。ごめんなさい、本当に…。いつも自分のことばっかりで、心配してくれてる人のことなんてちっとも考えずに行動して……本当に、ごめんなさい。もう、二度と心配かけるようなことはしません。何かするときは、ちゃんと万理さんに報告してからにします』
万理は困ったように笑ってから、しょんぼりと俯く零の顔にかかる髪の毛をそっと耳にかけた。
「顔上げて」
『……はい』
「これで、この話はおしまい。これからは、ちゃんと俺を頼って。俺にもちゃんと、君を守らせて。わかった?」
『…はいっ!!』
零が大きく頷けば、万理はいつものように優しい顔で微笑むと、零の頭を優しく撫でた。
「うん、いい子だ」
『……っ!!』
―――万理さんのイケメンスマイルに、頭ナデナデだと…?私でも既に虫の息なのに、これが百だったら…きっと、気絶してるんだろうな。
そんなことを思いながら赤面していれば、ふと、声が掛かる。
「――あっ……!!」
聞き慣れた声に振り返ってみれば、そこには百が立っていて。
万理はにこやかに微笑みながら、口を開いた。
「おはようございます。Re:valeもここで仕事だったんだね」
『百、おはよう』
「バンさん!零…!おはようございます!ユキなら楽屋にいますよ!」
「あいつに電話で怒られちゃったよ。この前、百くんと零ちゃんを叱りすぎだって」
「と、とんでもないです!オレが悪かったんです。IDORiSH7のみんなや零のことまで巻き込んじゃってすみません……」