第16章 アダムとイヴの林檎
――TRIGGER控室。
「……っ、じっとしていられないわ!捜しに行く!」
「姉鷺さん!でも…」
いてもたってもいられない様子の姉鷺と紡の前に、岡崎が立ちふさがった。
「姉鷺さんはこちらにいた方がいいですよ」
「でも…」
「しっかりしてください!不測の事態が起きた時に、対処するのが自分らの仕事です!」
「岡崎…」
「岡崎さん…」
「はは。度胸をつけて、みんなでピンチを乗り切りましょう!……あ、ラビチャだ。失礼しますね。なんだろう、千くんから…」
かっこよくまとめたかのように思われたが、岡崎は携帯を見ながらぶつぶつと呟き始めた。
「…え!?ヤバそうな人と交渉中!?なにやってんの……嘘でしょ、やめてよ……」
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁもう。あんた、一瞬かっこよかったのに…」
「……ちょっと、胃薬取ってください…。…そんな人たちと交渉なんてしないで…黒い交際って言われちゃうから……。……え!?TRIGGERの居場所がわかりそう!?」
「なんですって?」