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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第16章 アダムとイヴの林檎




「――どーもー!Re:valeでーす!!」


突然聞こえてきた声に、社員が驚いて振り返る。
そこには、百と千が立っていて。


「失礼。僕達も一緒にここで待たせてもらうね」

「了さんのやつ、拗ねてアポ断りやがったからさー!あ、ちょっとその手、どけてもらえる?」


百は笑顔で言いながら、零の肩を抱いている社員の手を振り払った。


「ツクモの社員が、小鳥遊プロの大事な大事なお姫様にこんなことしていいのかなー?オレ達、ばっちり見てたけど」

「な……っ!」

「見逃してくれたら、このことは内緒にしておいてあげる。どうする?」


百の言葉に、社員は苦虫を噛み潰したような顔でそそくさと部屋を出て行った。
バタン、と扉が閉まってから零は千と顔を見合わせてガッツポーズをしてみせる。


『やった!千ちゃん、成功したよ!』

「さすがだね、零。よくやった。これでツクモが所有している不動産の物件がある程度絞り込める」


千がぽんぽんと零の頭を撫でる。嬉しそうな零と千とは反対に、百はむっすーと不機嫌そうな表情で零を見つめていた。


『……百?』


心配そうに零が百を見やれば、ふいっと視線を反らされた。


「……。それより早く書類見つけて一織に連絡しないと。今の奴が誰かを呼んでくるかもしれないし」

「そうだね。急ごう」

『……うん!』


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