第3章 交錯する想い
「あはは……まぁ、そうだよね……天が女の子と関わるわけないか」
「当たり前でしょう。そんな暇なんてないよ。キミ達が一番よくわかってると思ってたんだけど」
「なんかしつこくつきまとわれてたから、お前もついに折れたのかと思ったぜ」
「バカじゃないの。やめてよ、あんな三流と仲が良いだなんて。ていうか、そんなくだらないでまかせ、キミ達が信じてどうするの」
「天、言い方……」
天は不機嫌そうな面持ちで、ソファから立ち上がる。
「あ、ちょっと天!どこ行くの?」
「姉鷺さんのところ。山南梢の事務所に連絡してもらう。ふざけた嘘をもう二度と言わないようにきつく言っておかないとね」
そう吐き捨てて、バタン!と勢いよく扉が閉まる。
大きな音にびくっと肩を揺らし、龍は溜息をついた。
「余計なこと言っちゃったかな……」
「ま、あいつも録画してたみたいだし遅かれ早かれだろ。生放送で勝手に仲が良いなんて言いふらされちゃ、ゴシップになるほどじゃないけど迷惑だしな」
楽は言ってから、顎に手を当てた。
「でも、あんなにキレることないよな。しょっちゅうじゃねえか、こんなこと」
「いつもは冷静なのに、珍しく怒ってたよね、天」