第16章 アダムとイヴの林檎
こうして、10人はそれぞれ四つの班に分かれた。
1班には百、千、零。
2班には陸、三月。
3班には大和、環、壮五。
4班にはナギ。
そして――。
「一織さん、みなさん、どちらに行かれたんですか?」
TRIGGERの控室に一人戻った一織に、紡が問う。
「TRIGGERが心配なので、思い当たる節を探してくるそうです」
「そうですか…。TRIGEERのみなさん、無事だといいですけど…」
その時、一織の携帯が鳴った。
「失礼。電話に出てきます」
そう告げた一織は部屋を出てから、周りに人がいないことを確認し着信ボタンを押す。
「一織です。公演開始までは二時間。2班、3班、4班は待機してください。ただいま、1班がツクモプロの本社ビルに接近中です」
指令係とマネージャー達を不安にさせないようフォローさせる係として一織。
―――公演開始まで、あと二時間。
まず1班がツクモ本社に乗り込み交渉へ、そこで情報を手に入れてからそれぞれの班が行動を開始するという作戦だ。