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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第16章 アダムとイヴの林檎




「お疲れ様でーす……」

「お疲れさま!どうしたの?」

「ちょっと早いけど、三人に挨拶に…。九州の方に異動が決まっちゃってさ。番組からは降りることになった」


彼の言葉に、三人は目を見開いた。


「……好きな番組だったから、もっと、やっていたかったけどね……。落ち着いたら、また野球誘ってよ、百ちゃん、零ちゃん」

「………」

『そんな……なんで……っ』

「僕から掛けあうよ。あなたにいなくなられたら困る」

『私も…!!最初からずっと一緒に番組作ってきたじゃないですか……そんなこと…』

「その言葉だけで十分だよ。これからも、三人で頑張って。みんなを楽しませてくれ」


百が顔を歪めながら、震える口を開く。


「……なんでだよ……オレの悪口言ってっつったじゃん……」

「あはは。言えないよ。百ちゃん、悪いとこなんかないもん。TRIGGERにだって、悪いとこはない。彼等ほど真面目なタレントはいないよ。うちにゲストに来てくれたときだって、スタッフがやりやすいように配慮してくれた。すごい、いい回だったよ。そうだろ?」

「……っ、……うぅ……」

『……っ……やだ…っ』

「二人とも、泣かないで。僕は、面白いものを作りたいんだ。そのために嘘はつかない。つかなかった。納得してる。だから、ほら、顔をあげて」


彼の優しい言葉に、百がごしごしと涙を擦ってから続けた。


「……っ、必ず、中央に連れ戻す。それまで、泥を食っても、ここに立ってる。約束する……」

「困ったことがあったら、なんでも言ってくれ。あなたを助けられる僕たちでいる」

『……必ず、またここで、一緒に仕事しましょう…。約束です』

「うん……。ありがとう。Re:valeと、零ちゃんと。君達三人と一緒に仕事ができたこと、誇りに思うよ。……百ちゃん、千くん、零ちゃん、頑張ってね」



その言葉を最後に、バタン、と扉が閉まる。


「……零、モモ、大丈夫か?」

『……もう、我慢できないよ』

「………。そろそろキレそう…」

「僕も」


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