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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第16章 アダムとイヴの林檎




「…わかった。そう言ってくれて嬉しいよ、天。やっぱり、僕には君だけだ。君は僕の創った完璧なアイドルだ。ゼロ以上の理想のスターだよ。君だけが最高のアイドルの条件を満たしている。零と千もそうだと思ったけど、あの子たちは一度ぶれてしまったからね」

「……最高のアイドルの条件?」

「天なら、わかるはずだ。だって、僕に出会う前から君は、その素質を持っていた。処女受胎で生まれた救世主みたいにね」

「………」




―――零。


ボクの選択は、正しかったんだね。

あの日のことを、今まで何度も後悔してきた。けれど、今やっと。後悔する必要なんてなかったんだ、ってそう思えるよ。

あの時キミがボクの手を掴んでいたら。
あの時ボクが無理矢理にでもキミの手を引いていたら。

キミの人生を台無しにしていたかもしれない――そんなこと、想像するだけで背筋が凍るようだった。


もう、後悔なんてしないよ。

これで、よかったんだよね?



ボクはちゃんと、キミのヒーローになれたのかな―――?


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