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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い




「お疲れ様でしたー! 山南さん、今日はありがとね!また来てね!」

「こちらこそありがとうございました!またよろしくお願いします!」


梢に挨拶をした後で、百が零の肩をがしっと組む。


「今日も三人でご飯行くでしょ?何食べたい?焼肉行っちゃいますか!」

「前回も肉だったじゃないか。今日は野菜ね」

「ええー!」


百と千の会話を聞きながら、零は梢からの視線を感じていた。収録中もずっと感じていた、どこか含みのある鋭い視線。そんな彼女と目が合えば、彼女はにっこりと微笑んだ。


『………(気にしすぎ、だよね)。山南さん、お疲れ様でした!』


零の声に、梢はぺこり、とお辞儀をしてスタジオを去って行った。


「零、何かあった?」

『え?何もないよ!お腹すいてるだけ!』

「そう?」

『うん!』


百の問いに、元気いっぱいに答える零。そんな零を見つめてから、千が仕方なさそうに口を開いた。


「じゃあ、今日は零に免じて肉でいいよ」

「『ほんと!?』」

「うん」

「千ってば超イケメン!」

『千ちゃん大好き!』

「知ってる」


そんなやり取りを終えRe:valeの二人と地下駐車場で待ち合わせをしてから、着替えるために零は自分の楽屋へと戻る。すると、楽屋の前に一人の女の子が立っていた。


『……山南さん?』

「あ!零さん!お疲れ様です!すみません、楽屋の前で待ち伏せなんてしちゃって」

『いえ、全然……何かありました?』

「その、図々しいことは重々承知してるんですけど……」


梢はもじもじとしながら、スカートのポケットから携帯を取り出した。


「よかったら連絡先教えてもらってもいいですか!?その、私まだデビューしたばかりで、芸能界にお友達全然いなくて……」

『あ…は、はい!私なんかでよければ、喜んで』


零がそういえば、梢は嬉しそうに顔を緩めて頭を下げた。

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