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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第16章 アダムとイヴの林檎




「お引き取り下さい、月雲さん。……姉鷺!お客様がお帰りだ!」

「は、はい……っ!」

「交渉は決裂?」

「言わなきゃわからないか、小僧!……いえ、失礼いたしました。お帰りはあちらです」


八乙女は怒鳴ってから、無表情のまま了をドアの方へと促す。


「あなたがツクモに入社したての頃の写真を見たよ。隣に写ってたあの女性はどこにいったんだ?」

「……あなたのことは百から聞いています。荒っぽい連中とつるんで得体のしれない商売をしていたとか。そちらこそ、スキャンダルにならぬよう、ご注意を」

「……モモと親しいのか。なるほど、君も運動部ってわけだ」

「……運動部?」

「帰るよ。コーヒーご馳走様。君が哀れになるほど、泥水みたいな味だった」



皮肉めいた言葉を残してから、了は去って行った。

しばらく扉を見つめていた八乙女が、姉鷺に向かって叫ぶ。


「塩を撒け!!」

「いいんですか…?」

「構うものか!……っあいつに連絡しろ!ただちに事務所に来るよう連絡してくれ」


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