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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第14章 追憶の幻想曲





「「「『ただいま……』」」」



ボロボロの姿で帰ってきた四人に、龍之介が驚いた声をあげる。


「どうしたんだ!?みんな、ボロボロになって……」

「ミツが迷って茂みに突っ込んで……」

「千さんがもう歩きたくないって言うからヒッチハイクして……」

「トラックの運転手さんに、僕の後ろに女の子がいるって言われて……」

『追い払うことなんて出来ないし、一緒に乗ってきて……』


瞬間、環が「ぎゃー!!おばけ!!」と悲鳴をあげた。


「OH!アメージング!レディがお越しくださったのですね。14人分のディナーを用意しましょう!」


ナギの言葉に、環がおそるおそる口を開く。


「ナギっちは女の子なら生身でも生身じゃなくてもいいの……?」

「ジェントルマンの鑑だね!それより零、どうしたのその格好!?上着きてたよね!?」


カレーを作っていた百がエプロンをつけたまま、零の元へ駆け寄ってきた。


『いや、ヒッチハイ――むぐっ』


言いかけた零の口を、千が後ろから両手で押さえつけた。


「僕が寒がってたら上着を貸してくれたんだよ。な、零」

『~~~~!!』


口を押さえ付けられたままうんうんと頷く零に、百は感動したように右手で口元を押さえながら言った。


「マジ!?零ってば、超イケメン……!!」


そんな光景に冷ややかな視線を送る大和と三月。


「どうせ後で映像見たらバレんぞ……」

「さすがにカットになるだろうけどな……」


そんな会話をしている横で、夜のお楽しみ係である陸・龍之介・壮五の三人が肝試しの打ち合わせをしていた。


「肝試しってやったことないな。僕らは皆を驚かせればいいのかな?」

「別荘の庭が広いから、木の陰に隠れてわっと驚かそうか」

「それでは、僕は逆さ吊りになってます」


そう言って張り切って宙吊りになる壮五に、龍之介が関心していれば。

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