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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第14章 追憶の幻想曲






「ねえ……本当にこの道で合ってるの?」


茂みの中で、千が言った。


「…合ってますよ!地図の通りに進んでますし!」

「いや……どう考えても迷っただろ、これ」

『………』


買い出しに出かけたはずの四人は、帰り道で見事迷子になっていた。


「おい、ミツ!!どうすんだよ!?何処だよここ!!」

「知らねーよっ!!確かに茂みに突っ込んだのは俺だけど、こっちでいいって結局賛成してくれただろ!?」

『か、痒い……めっちゃ蚊にさされた……』

「僕も……。もう歩きたくない……。零、ヒッチハイクしてきてよ」

「千さん、あんたさりげなく最低な発言したな…女の子をだしにするとか」


大和が千の発言に盛大に突っ込む。


『でも、このままじゃ帰れなくなっちゃうしね…うん、しよう!ヒッチハイク!』

「マジかよ……」

「でもさ、よくよく考えてみればヒッチハイクに捕まった奴、超ラッキーじゃん!?零ちゃんと一緒の車に乗れるんだぜ!?」

「そうそう。三月くんの言う通り。そういうこと」

「あんたら都合良く解釈しすぎな!?」


大和の突っ込みも虚しく、なくなく近くの道路に出た一向は、とりあえず零を先頭にして、道路に一列に並んでみた。




『……ヒッチハイクってどうやるの?』


零がぼそりと呟けば、三月が答える。


「親指を立てて、道路沿いでアピールすればいいんじゃねーか?」

「スケッチブックみたいなのは持ってねぇしな。親指立てて、手振ってみるとか?」


続いた大和に、やれやれといったように千が肩を落とした。


「駄目だよ、それじゃアピールが足りない。零、脱いで」

「「『は!?!?』」」

「パーカーだよ。脱いで、これ」


千は言いながら零のパーカーを脱がせる。タンクトップ姿になった零に、千はうんうんと満足そうに頷いた。

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