第14章 追憶の幻想曲
「みなさん、いいですか」
やっと真剣にやる気になったメンバー達に、一織が言う。
零も30分の睡眠から無事復活を遂げ、成人組の酔いも大分冷めたようだ。一織は12人を前に、ホワイトボードにスケジュールを書きはじめる。
「1、テーマを決定。2、具体的なアイデアをブレスト。3、各グループに分かれて作業を開始。以上のスケジュールを残り時間で割り出します。一時間でテーマを決定し、日付が変わるまでにデモ完成…」
テーマについてあれやこれやと議論を繰り返していれば、撮影班から”絵的に地味だから、夕食係や買い出し係をくじ引きで決めてください”との通達があった。
くじ引きの箱を渡され、それぞれ順番にくじを引いていく。
「オレ、夜のお楽しみ係!」
「僕も一緒だよ」
「俺もだ。レクリエーションかな?肝試しとかする?」
夜のお楽しみ係に決定したのは、陸・壮五・龍之介だった。
「夜のお楽しみ全然わかんねえ組が担当になっちまったか…」
「大和さんは?」
「買い出し班だって。だるいなー」
買い出し班のくじを引いた大和がだるそうに言えば、零がくじを持って駆け寄ってくる。
『大和くん、よろしくね!』
「え?マジで?……うしっ!買い出し班最高ー!」
「おっさん、露骨すぎ」
三月が怪訝な顔で言えば、それに千が続く。
「だるいな…地図で見ると店遠くない?」
「大丈夫ですよ!たどりつけますって!」
買い出し班に決まったのは、大和・零・三月・千の四人だった。
「夕食係だった」
「ワタシもディナー担当です」
「オレもだ。料理下手なんだよなー」
そして、夕食係は環・ナギ・百に決定。
「風呂洗いと布団敷き担当だ」
「私もです。お風呂、温泉らしいですよ」
風呂洗いと布団敷きに楽・一織。
そして。
「て……、九条さんはなんだった?」
「………BGM」
天は、BGM係に決まったのだった。