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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第14章 追憶の幻想曲



「いいじゃないすか、今日くらい。なあ、零!」

『あ、ちょっと揺らさないでよ楽!』


零の肩を抱く楽。名前を呼び合う二人の様子に、百は眉根を寄せた。


「あれ……楽と零、何時の間にそんなに仲良く……?」

「おい、八乙女!うちの姫様に馴れ馴れしく触んな!」

「いいじゃん、肩抱くくらい」


しっしっと楽の手を払う大和にぶつぶつと文句を言ってから、楽は気付いたように百と零の顔を交互に見てから訊ねた。


「そういえば、百さんと零って、何がきっかけで出会ったんだ?」

「あ、それ俺も気になる」

「僕も是非…是非聞きたいです!」

「オレも気になってた!やっぱりあの伝説のMVですか?でも、あのMVに零ちゃんが出ることになった経緯って?」


楽の問いに、のってくる大和と壮五と三月。
百はきょとん、としてから、仕方なさそうに笑った。


「あはは。それ聞いちゃう?」

「話してあげたら?モモ」


こつん、と肘で小突きながら千が言う。百は眉を下げて笑いながら、昔を懐かしむように口を開いた。


「いいよ。あれはね―――」


瞳を輝かせ興味津々な成人組のメンバーを見ながら、百はゆっくりと零との出会いを話し始めた。

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