第14章 追憶の幻想曲
「あの、気になることがあるんですけど」
そんな中、天が口を開いた。
「なんだい」
「どうして、ここにカメラが入ってるんですか?」
「さすが、九条くんだね。さっそく、今から合宿所に移動してもらおうと思って」
「「「「えーっ………!?」」」」
13人から、一斉に声があがる。
「今から24時間?明日の仕事は!?嘘!?」
「本当に今から?そういうていで…とかではなく?」
「着替えは?歯ブラシとか下着とか…」
口々に飛んでくる質問を、チーフプロデューサーは「買ってください」の一言で一蹴りした。
そして、チーフプロデューサーがちょんちょん、と零の肩を小突く。
『え?……これ読んで……?………こうして私達は、急遽、熱海の別荘に向かうことになったのでした………。……熱海!?!?』
驚くメンバーたちの背中を押すように、チーフプロデューサーは笑顔で続けた。
「じゃ、すみませーん!早速移動してくださーい!」
戸惑う暇もなく、そのまま13人はロケバスに乗せられたのだった。