第3章 交錯する想い
『え、なんだっけかな……んー、あ!膝枕なら覚えてるよ』
「ひ、膝枕!?!?」
「随分可愛いらしい王様ゲームだね」
「ユキは黙ってて!」
「そうね。はいはい」
「どこのどいつに膝枕したの!?オレもまだしてもらったことないのに!」
「まだ、ってしてもらう前提なんだ」
「だからユキはちょっと黙ってて!」
笑いをこらえながら突っ込みを入れる千は、今日も百と零の二人のやり取りを大層愉しんでいる様子だ。
そんな三人に、岡崎が口を開く。
「はい!そこまで!その続きは収録が終わった後!」
「ええ~~!?気になって仕事に集中できないよ!」
『はあ。百って過保護すぎ。たかが膝枕で怒ってさ。お父さんみたい』
「たかが膝枕!?モモちゃん、零をそんな子に育てた覚えない……!」
「……ヤキモチを過保護なお父さん扱いされてるモモ、ウケる……」
ギャーギャー喧嘩する零と百に、ぷくくと笑いをこらえる千。
そんないつも通りの三人を、岡崎はいつも通りスタジオの中へと引っ張っていったのであった。