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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い




「ああっ!ちょっと百くん!セットした髪が台無しじゃないですか!」


慌ただしく聞こえてきた声の主が、眼鏡を直しながら小走りで駆け寄ってくる。Re:valeが所属する岡崎事務所のマネージャー、岡崎凛人だ。


『おかりんおはよー!』

「零ちゃん、おはようございます!今日も見目麗しいほどにお美しいですね!あ、そうそう。この前のオフに会えなかったとかで、百くんが落ち込んで大変だったんですよ」

『あー…、ごめん。事務所のレクがあって。百の電話しつこくて、電源切ってたんだ』

「えっ!?電池切れたって言ってなかった!?故意に切ってたの!?」

『げ、口が滑った』

「……ぷっ……」

「ひどい!モモちゃん泣きそう!!」


笑いをこらえる千に、ぷんぷん怒りだす百。


「事務所のレクですか!いいですね、そういうの!何したんですか?」

『バーベキュー!後ね、釣りもした。その時、初めて百と遊んでてよかったーって思った』

「ちょっと零!オレのガラスのハートが壊れそう!」

「くくっ……」


ついに吹き出す千。
怒る百をスルーして、岡崎が続ける。


「バーベキューに釣りですか…。楽しそうですね!うちも企画してみようかな!」

『うん、いいと思う!人見知りの私が打ち解けられたくらいだし。あ、あと初めて王様ゲームしたよ』

「「王様ゲーム!?」」


岡崎と百の声が、見事に重なった。


「王様ゲームしたの?零も?」


慌てふためく二人に変わって千が冷静に尋ねれば、零は笑顔で頷いた。


『酔っ払っちゃってあんま覚えてないんだけど楽しかった気がする。千ちゃんも王様ゲームしたことあるの?』

「あるよ。大人のやつ。どんな事したの?」

『?大人のやつ?』

「そこは突っ込まないでいいから!ユキも余計なこと言わないで!で、何したの!?」


千を押し退けて、百はぐいっと零に顔を近づけた。先ほどまで、わんわん!なんて言ってふざけてたのが嘘みたいに真剣な顔だ。



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