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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第13章 ロストロングラブレター





「さっき言った台詞が、本当だって言ったらどうする?キミは、笑う?」



言っている意味を理解するまでに、少し時間がかかった。


――さっき言った台詞?アドリブだって言ったあの台詞?

あれが、本当だったら?


ずっと、好きだったって――?





「――零ちゃん!やっと見つけた…っ」


突然掛かった声に、驚いて顔をあげれば。
休憩室の前に、息を切らした万理が立っていて。


『……万理さん?』

「ごめんね、突然……っ。百くん、ここに来てない?」

『え?百……?』

「うん……。零ちゃんには言わないでって言われたんだけど…。やっぱり心配だから…」

『百が来てたんですか?ここに?』

「来てた筈なんだ。俺が呼んだんだけど、さっき電話が掛かってきて、突然帰りますって。泣きそうな声で……」


万理の言葉に、零は勢いよく立ち上がった。



『………っ』


―――泣きそうな声?

百は今、泣きそうな顔をしているの?

なんで?どうして?


泣きそうな顔で無理して笑っている百の顔が脳裏に浮かんで、もう、居ても立ってもいられなかった。


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