第13章 ロストロングラブレター
「あ……Re:valeの百さんじゃないですか!」
万理に指定されたスタジオについた百が、中へ入れば。突然、声を掛けられた。
「え?……あー!もしかしてさっき、”きみ恋”に出てた……!?」
「はい、山岸です。初めまして!僕、Re:valeさんのファンなんですよ!」
「マジで!?うわ、嬉しい!ありがとー!」
「どなたかに御用ですか?」
「うん、小鳥遊プロさんのマネージャーさんに用があって。どこにいるか知ってる?」
「ああ、マネージャーさんならさっき一階の休憩室で見かけましたよ。ここを真っ直ぐ行って、突き当たりを右です」
「ありがとー!きみ恋、見てるよ!応援してる!頑張ってね!」
百はそういって、休憩室に向かって廊下を歩いていく。
そんな百の後ろ姿をみながら、山岸は作り笑顔をふっと消し、無表情のままスマホを取り出し、電話をかけた。
「……もしもし。……はい。順調ですよ。……それと、思わぬ収穫がありました。Re:valeの百がスタジオに来たんで、二人のところに向かわせておきました。…ふふ……あなたならそうするんじゃないかと思いまして。……いやいや、"了さん"には言われたくないですね。はい…それじゃあ、また連絡します」