第13章 ロストロングラブレター
「……よくそんなこと恥ずかしげもなく言えるね」
『え?私なんか恥ずかしいこと言った?』
「……はあ…」
『あと、演技力もびっくりしちゃった。天は本当にすごいよね……アドリブなんて、私考えたこともなかったもん。天はアイドルだけじゃなくて、役者さんの才能もあるね!小さい頃から、天はなんでもできたから。完璧な、正義のヒーローみたいに』
きらきらとした瞳で楽しそうに言う零を、天はじっと見つめる。
驚いた顔で走り去って行ったり、赤い顔して恥ずかしがったり、瞳をきらきらさせながら楽しそうに笑ったり。
人を翻弄させるのも、いい加減にして。つい、そう言ってしまいたくなる。
「……言ったでしょう。零の前では演技なんてしてないって」
『え?』
「さっき言った台詞が、本当だって言ったらどうする?キミは、笑う?」